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■ 一線を越えない事の誇り
随分とアパートが建てられている。実は、弊社にもその相談は幾つかあったが、それは全て現状をご説明し、丁寧にお断りした。勿論、それを喜んでという訳ではない。私も社長なら、それはそれ仕事が欲しいのである。しかし、いつも営業責任者と確認するのだが、良心を捨ててまで仕事をするくらいならとっとと建設部門は廃業し、アパート管理を中心とする不動産業に専念しようと覚悟をしている。また、いつでもそれがなるように、出雲市ではナンバーワンの陣容を誇っていると自負をしている。
私は、というより弊社では、人の不幸を前提に仕事をする気など毛頭ない。余りにあまっているアパートを、特に1DKとか1K、あるいは2DKというような計算上では利回りの良いプランを、さももっと需要があるかのようにふれ回り、それでも心配するものには借り上げ保証をするというやり方は、転勤があって二三年で異動する大手でしかやれない芸当である。借り上げ保証とかの契約書を見た限り抜け穴だらけで、私の神経では顧客に説明する気にもなれない。だから転勤はありがたいだろう。
多分、この一年で3,000戸のアパートに、○○荘とかいう古い物件まで入れると空きが出ると想像される。これは凄いことである。今から5年前くらいまでは、地元の建設業者も年に一二棟アパートをやって、売上げの30パーセント程度を確保していた。
それがこの5年程度で、今後50年分程度を建てたのだから、もうまともな神経の業者には、アパートの仕事はまわってこない。
建築業者の苦境の一端はここにあるし、これは今後50年間は変わらないだろう。
しかし、一番悲惨なお客は、建設業者と不動産業者が別個の場合である。あるアパートメーカーなどは100戸以上の空き物件情報を持ってきては入居者の募集を頼んで帰っていく。それでもまだまだ建てていく。とにかく、無限に入居者がいるかのごとくまだまだ建てていく。勝手にしろい、と言いたい。どこの世界で、自分に責任がない物件を真剣に募集して管理するものか。自己の能力を遥かに超えた物件を抱え込んで、適当にやるなら出来るだろう。しかし、絶対に入居させなければならないという覚悟がなければ、入居者募集は、断言するが無理である。
覚えておくが良い。20年近く前に建てた持ち主は、そろそろ返済を終えようとしている。彼らはこれから、単価の勝負に出て行くことが可能である。あるいは、弊社ではもっと決定的な秘策も用意している。35年先にも、今の大手が全国で仕事をしていると考えるのは、今の中国がハリウッド映画を35年先に製作するより、はるかに難しい。日本は人口が減り、親の家があまり、全ての社会資本が余って余って、その維持管理が難しい時代を迎えつつある。
こんな事を言うといろいろ語弊があるが、なんでああも不労所得で食べようとするのか、私は疑問だった。しかし、答えは簡単だった。要は、人間50年と謡った信長の時代と違い、人間80年となったからだ。だから働けないのであって、不労所得が欲しいのである。働かず食べる。いや、結構な話ではないか・・・・・・・・・・・・・、筋書き通りなら。 |
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